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みどころ

当地域には、地球の活動、生態系、有形・無形の文化や歴史に関する貴重な資産が多く存在しています。これらはすべて、ジオパークの基盤となる「この地域ならではの価値」を物語る資産で、将来にわたって教育やツーリズムに活用できるよう、守り伝えていく必要があります。

当地域の資産(ジオサイト等)は、次の 4つに分類されます。

ジオサイト

地球科学的な価値を主とする資産

生態サイト

生物学的な価値を主とする資産

文化サイト

文化、歴史的価値を主とする有形資産

無形文化財

伝統行事、伝承等を主とする無形資産

PICK UP!

洞爺カルデラ

今から約11 万年前、現在の洞爺湖があるこの場所で巨大な噴火が発生した。噴火に伴い発生した巨大火砕流は、周辺一帯を焼き尽くしつつ流れ広がり、周辺を埋め尽くして平坦な丘陵地形をつくった。現在はこの地形が利用され、日当たりの良い広大な畑作地、牧草地が広がっている。
この噴火で形成された直径10 ㎞程のカルデラに水がたまり、現在の洞爺湖となった。
この規模の噴火は、日本列島のような島弧系では最大級の噴火であり、日本列島では過去12 万年間に9 回しか発生していない。

中島

今から約5 万年前、洞爺湖の中央部で火山活動が再開し、多数の溶岩ドームや火砕丘をつくった。湖底にあるものを含めて現在までに11 個の火山体が確認されていることから、何度も繰り返し噴火が発生したことがわかる。これらの溶岩ドームのうち、水面から顔を出した4島を総称して中島と呼んでいる。
中島には遊覧船や散策路が整備されており火山活動の様子が分かるとともに、島の環境に適応して独自の生態をもつエゾシカが生息しており、運が良ければ散策路上で出会える事もある。

縄文の人々のくらし

洞爺湖や有珠山の火山活動により育まれた森や海、湧水などの恵みを享受し、この地域には昔から人々が暮らしている。当ジオパークエリア内には日本有数の遺跡群が残されており、1万年以上もの長期にわたり持続可能な社会を形成した日本特有の先史文化である縄文文化の暮らしをうかがい知ることができる。

アイヌの人々のくらし

当ジオパークのエリア内には、北海道の先住民族であるアイヌの人々の生活の証も数多く残されている。砦や祭礼場と考えられる「チャシ」など、大地や自然とともに暮らしてきた彼らの思いを感じることができる貴重なサイトである。

有珠善光寺

826年に開山したと伝えられる有珠善光寺は、有珠山の山麓にあり、たびたび噴火を繰り返す有珠山の様子や災害について、多くの記録を残している。その克明な記録は、発生しうる災害想定や地域の減災啓発において重要な役割を果たしている。
また、有珠山の岩屑なだれによる大小様々な溶岩の塊が散在している境内には、季節の植物が楽しめる散策路があり、溶岩の割れ目に根を下ろした「石割桜」と呼ばれる桜が名所となっている。

昭和新山と三松正夫記念館

第二次世界大戦の困難な時期に、有珠山の噴火を見守った地元の人に、当時郵便局長であった三松正夫氏がいる。昭和新山が誕生した1943-45年噴火の際は、その火山活動をつぶさに観察し、火山成長の経過をスケッチし続けて1つの表にまとめるなど、多くの優れた記録を残した。この観察記録は「ミマツダイヤグラム」と呼ばれ、1948年の国際火山学会で発表され、世界の火山学者の称賛を受けた。
生涯に3 回の有珠山噴火を見守った三松氏の功績を後世に残し、また日本の火山学の基礎資料を保存するため、昭和新山の麓に設立されたのが三松正夫記念館である。

洞爺湖芸術館/とうや湖ぐるっと彫刻公園

洞爺湖を目の前に、北海道を代表する彫刻家・砂澤ビッキの作品、小型彫刻公募展「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ」の作品や、日本の近・現代文学の初版本、限定本のコレクション、そ してユネスコ世界遺産主席写真家を務めた並河萬里(なみかわ ばんり) の写真等を展示している。
とうや湖ぐるっと彫刻公園は、「人と自然がふれあう野外彫刻公園」として、洞爺湖を囲むように58基の彫刻を湖畔に設置したもの。洞爺カルデラの景観とアートとの融合を楽しめる。

小幌洞窟

日本一の秘境駅として知られるJR小幌駅から20分ほどでアクセスできる小幌洞窟。独特の作風を持った仏教彫刻で知られる江戸時代前期の僧侶である円空(1632-1695)は、1663年の噴火で大量に煙を上げている有珠山を見て、山が鎮まるようにと仏像を彫り、安置したと言い伝えられている。もともとは先史時代の遺跡であり、小幌洞窟遺跡と名付けられている。北海道大学による発掘調査では、約2,000 年前の貝塚が発見され、多数の土器や石器とともに、人骨も見つかっている。

三階滝

長流川(おさるがわ)の支流、三階滝川が当ジオパークエリア内で確認できる最も古い岩石(第三系の花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん))を削って滝となっている。岩に入っている割れ目に沿って削れたために滝には複雑な段々があるのが滝の名称の由来である。階段状の美しい川の流れと周辺の静かな自然環境を活かした公園として、特にバードウォッチングや紅葉狩りで人気となっている。