2000年噴火の時、この地域一帯には西北西〜東南東方向に伸びる大地の割れ目(断層)がたくさん生じました。ここでは断層に沿って、いくつかの噴火口が連なりました。私達が見ている谷地形は、割れ目に沿ってできた火口なのです。この様な割れ目に沿って連なる火口は割れ目火口と呼ばれています。

では、なぜ同じ様な方向に割れ目が多数できたのでしょうか。一説では、もともとこの地域の地下には同じ方向の断層が存在していたのではないかという考えがあります。洞爺カルデラの輪郭と同じ様な方向だからです。

さて、火口の両側の崖(火口壁)を見てみましょう。水道管や埋設電線が飛び出している様子が見えます。よく見ると水道管や電線の脇には砂利の層も見えます。これは先程まで歩いてきた旧町道なのです。町道を断ち切るように割れ目火口ができ、噴火したのです。

町道のアスファルトより上に載っている土は、噴火で飛ばされて積もった火山灰や土砂なのです。