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もっと知りたい!噴火を予測していた重機

2000年噴火前日の3月30日朝、この地域では道路に亀裂が走り、上水道管が断裂して水が吹き出し、地面が陥没する被害がありました。亀裂は西方向に続いており、室蘭地方気象台は有珠山の地殻変動によるものだとして、緊急火山情報を出して警戒を呼びかけました。通常は7㎝重なっている水道管の接続部分が、約10㎝も引き離され、ここから水が流出していました。

水道管工事はアパートの後ろでしていました。写真では、噴火で壊れる前のアパートを見ることができます。(2000.4.2 宇井 忠英 撮影)

この地域は噴火前後を比較すると、最も隆起した一帯です。地下にマグマが入り込んできたことにより地面が持ち上げられ、水道管にずれが生じたのでしょう。つまり、この水道管を修理していた建設機械はこの下からマグマが上がってきていることを予測できたのです。こういった変化について情報共有することで、噴火災害を減らすことができるかもしれません。
なお、工事をしていた人たちは、もう一台の重機とともに、間一髪で避難できました。

この周辺の現在の地形。このあたりは最大70m隆起した。