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ホーム >洞爺湖有珠山ジオパークについて > 有珠山の歴史 > 17-19世紀 山頂噴火

17-19世紀 山頂噴火

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17-19世紀の山頂噴火

約7千年の眠りから覚めた有珠山では、1663年に火口から膨大な量の火山灰や軽石を噴き出すプリニー式噴火が始まり、火山灰は200km以上離れた十勝地方まで達した。この活動では、マグマ水蒸気爆発に伴う低温の火砕サージが繰り返し発生して山麓を広く覆い、山頂部には火砕丘ができた。また噴火の最後には小有珠溶岩ドームができた。1663年の噴火の後、少なくとも2回の噴火をはさんで1822年に山頂からプリニー式噴火が始まり、火砕流に伴う火砕サージによって、有珠山で最も大きい人的被害を出した災害となった。一連の火山活動の最後には、山頂部にオガリ山潜在ドームが誕生した。1853年の噴火では、山麓には人家がなかったため、火砕流による犠牲者は出ずに済んだ。この火山活動の最後に大有珠溶岩ドームが誕生した。

有珠善光寺

有珠善光寺は826年に、比叡山の僧であった慈覚大師が自ら彫った本尊阿弥陀如来を安置し、開山したと伝えられている浄土宗の寺院である。1804年には将軍徳川家斉公により蝦夷三官寺の一つとして正式な建立をみた。たびたび噴火を繰り返す有珠山の様子や災害について、有珠山の山麓にある善光寺の僧が多くの記録を残している。特に1822年のアブタコタンを襲った災害についての記録は他のどの文献よりも詳しく、その克明な記録は、発生しうる災害想定や地域の減災啓発において重要な役割を果たしている。寺の境内一帯は江戸時代後期に歴史的な役割を果たした寺院であり、江戸時代の2度の有珠山噴火からも難を逃れて江戸時代のたたずまいを今日に伝えると言う理由で、1974年5月に国の史跡に指定された。
境内にはミズナラの大径木が残され、散策路では善光寺岩屑なだれでこの地に留まった安山岩の大きな岩をかち割って成長した桜が観察できるなど、有珠山の営みとともに豊かな植物を観察することができる絶好の場所である。
サイト見学地点:有珠善光寺
有珠善光寺
有珠善光寺

小幌洞窟

円空(1632-1695)は、江戸時代前期の天台宗の僧侶で、独特の作風を持った仏教彫刻で知られる。道南の各地を廻って多くの仏像を彫ったが、1663年の有珠山噴火で大量に煙を上げている有珠山を見て、1666年に豊浦町の小幌洞窟で仏像を彫って山が鎮まるよう安置したと言い伝えられている。このことからも1663年の有珠山噴火がそこに暮らす人々に与えた恐怖が計り知れないものであったことが推察される。現在、岩屋観音と呼ばれているその仏像はその後、修行僧がこの地で熊に襲われたが、この仏像の後に隠れて、難を逃れ、その代わりに仏像の首は熊に食いちぎられて以来「首なし観音」となったという伝説も残している。
岩屋観音はもともとは先史時代の遺跡であり、小幌洞窟遺跡と名付けられている。かつて、北海道大学が発掘調査を行い、2000年前の貝塚が発見され、多数の土器や石器とともに、人骨も見つかっている。
サイト見学地点:岩屋観音
小幌洞窟

文政火砕流被災者の慰霊碑

1822年3月12日から始まった噴火は、15日に1回目の火砕流を発生させ、山麓の草木を焼き払った。翌16日から18日にかけて火山活動が一時衰えたために、避難していたアブタコタンの住人は集落へと戻ってきた。しかし19日には再び噴火が激しくなり、23日午前7時ごろに2回目の火砕流が発生した。この火砕流に伴う火砕サージは、今の洞爺湖町入江地区にあったアブタコタンの集落一帯を焼き、当時そこで暮らしていた約380人のうち103人が犠牲となる、有珠山噴火最大の人的被害を出す災害となった。当時この地域で暮らしていた人々は主にアイヌの人であったが、日本人との交易の拠点であったため、日本人もこの火砕流で犠牲となった。この災害で犠牲になった人々の慰霊碑には日本人3人の名前が記されている。
サイト見学地点:文政火砕流被災者の慰霊碑
文政火砕流被災者の慰霊碑

有珠外輪山散策路

有珠外輪山散策路からは、火口原内部にそびえる小有珠、大有珠、オガリ山、有珠新山などの溶岩ドームと潜在ドーム群や1977-78年噴火でできた銀沼火口などを見ることができる。現在、南外輪と呼ばれ、有珠外輪山散策路が通る火口原の南側の尾根は1663年噴火のうちプリニー式噴火の後に発生した低温の火砕サージに伴って火口周辺に堆積してできた。部分的に二重になっており、形成過程は単純ではないと思われる。一方北外輪と呼ばれる部分は約7000年前の有珠成層火山の崩壊によって生じたものである。
サイト見学地点:大有珠溶岩ドーム、散策路階段付近テフラ露頭、火砕丘地形、オガリ山潜在ドーム、銀沼火口、有珠新山と噴気地帯、小有珠溶岩ドーム
有珠外輪山散策路
有珠外輪山散策路

有珠山南山麓の植生

有珠山地域の極相林は、ミズナラを主体とする落葉広葉樹林と考えられるが、その若い林が南山麓では認められる。また、1910年の火口群から 2000年の火口群周辺の植生と合わせて観察することで、極相林へ移行する一連の遷移系列を見ることができる。環境省レッドデータブックや北海道レッドデータブックで指定されているコジマエンレイソウを数万個体観察することができる一大群生地であるため、公開するならば適切な保護政策を施す必要がある。
サイト見学地点:有珠山南山麓

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